Innovation for Ecology ![]() |
サウンドサイエンス社からサウンドシャキット対応スピーカ「S16F」が販売されました。 このスピーカをメーカPRから引用すると、 「ヴォーカルの再現性を重視し、味付けも色づけも無いストレートなリアルサウンドを追求するため、驚くほど重く大きなフェライトマグネット(外形φ89mm)を採用。 スピートンフィルターによる超低音のエネルギーでも音割れせず、しかも中音域のニュアンスを崩さない絶妙なバランスをこの価格で実現しました。」 とあります。 低音だけが強調されて聞こえる昨今のスピーカと比べ、自然なヴォーカルが聞こえるとのことなので購入した物です。 大評判のウインダムスピーカと比べると低音の量が少ないと感じますが、変にブーミーにならない締まった低音、綺麗な中高音は好感が持てます。 |
難易度 | ★★☆☆☆ |
作業時間 | 3時間 |
費用 |
19,500円程度 バッフル板、スペーサ込み |
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購入したスピーカセット スピーカ「S16F」は奥行きが多くあり、そのままドアパネルに付けると下がってくるガラスに干渉します。 干渉というと柔らかな印象ですが、ハッキリ言うとガツガツとぶつかります。 そのため、エスティマ系専用バッフル板と、もしもの場合のためにスペーサも一緒に購入しています。 (左の写真が全てのパーツです) 右上がエスティマ、エスハイ用バッフル板、左上が10ミリ厚のスペーサです。 |
2枚の写真とも左側がウインダムスピーカで、スピーカの構造が全く違うので、取付け方もそれなりに考えないといけません。 ![]() ![]() また、この写真で見ることはできませんが、純正スピーカには雨避けフードがあり、それがパネル内部に入って雨避けになります。 雨避けフードは後ろ側にある磁石のほとんどを隠してしまうくらいの幅ですが、この写真のウインダムスピーカは「ある事情があって」それをカットしています。 |
「S16F」のスピーカ端子は、左下の写真のように「平形ピン」で、大きい端子がプラス、小さい方はマイナス。 この端子にエスハイの純正ハーネスを繋ぐことになりますが、コネクタ形状が違うのでそのままでは繋がりません。 ![]() ![]() このケーブル、どちらがプラスか分かるようにカラーケーブルを使うと良いでしょう。 私の場合、ケーブルの先端には別に用意した平形ピンを繋ぎ、熱収縮チューブで保護していますが、入手が難しい場合は一般的なギボシを繋ぎます。 |
初めにインナーパネルにバッフル板を取付けますが、裏表があるので、写真のようにネジの頭が「表面から沈む面」を表にして取付けます。 付属のネジを使用し、裏のナットをレンチやペンチなどで動かないようにして、3箇所を徐々に、次第にしっかりと締めこんでください。 既にスピーカ穴周囲までデッドニングしてある場合は、デッドニングの上からバッフル板を止めてください。 右の写真は、バッフル板の大きさに合わせてデッドニング材をカットした例です。 (スピーカの背になる部分には、カーボンフェルトを貼っているので黒く見えています) |
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エスティマ系の場合、スピーカを直接バッフル板に付けて構いません。 実際に付けてみたところ、ドア内に下がってくるガラスとスピーカ後面との隙間は5ミリ程度あります。 (デッドニング材の上にバッフル板を付けた場合はもっと開きます) このような状況で使っている方もいますし、大きな問題にはならないと思いますが、純正スピーカはパネル面から4センチのクリアランスがあるので、 一緒に購入した10ミリ厚のスペーサを入れ、スピーカを前に出すことにしました。 その結果、ガラスとの間隔が15ミリとなり、内張りとも干渉しないので、精神面でも安心できます。 しかし、スペーサを取付けるのは難儀します。 初めにスペーサをバッフル板に付け、付いたスペーサにスピーカを取り付けることは、ネジ山がスピーカに干渉し、スピーカがしっかり付かないからです。 したがい、スペーサとスピーカを一緒に持ち、両方を同時にバッフル板に付けるのですが、この作業はある問題があってとても難儀しますよ。 |
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バッフル板とスペーサの内円を合わせて位置決めをしたら、バッフル板にスペーサの周囲をエンピツ書きしておきます。 そうすることで、スピーカをスペーサに乗せても、取付け位置、中心が明確になります。 エンピツでスペーサ位置を書いたのが分かるでしょうか? |
バッフル板、スペーサは合板製で硬いということを念頭に置いて作業します。 (↑これが上の説明にある「ある問題」です) スペーサのネジ穴が狭すぎるので、木ネジを締めるのに大きな力が必要です。 このような作業に慣れていない方は、ねじ込んだ木ネジがスペーサだけに入り、バッフル板に食い込まないこともあります。 そうならないために、スピーカとスペーサを一緒にしてバッフル板に押さえ込み、強力な力で木ネジを締め込んでやります。 スペーサ取付け前に、セットされている木ネジ径より大きな穴(ネジがブカブカに入る穴:バカ穴)になるよう、ドリルなどで穴を広げておくと、後の作業が楽になります。 (この件はメーカに話してあり、今後は対応品が出ます) |
先の処理でエンピツでマークした「スペーサ取付け位置」にスペーサを合わせたら、バッフル板に対して「スペーサ取付穴」を木ネジを締めながら開けてやり、
木ネジが半分程度埋まったら戻します。 これを対角線で2箇所やっておき、一旦、木ネジを抜き取ります。 この行為で、次のスピーカ取付け作業が「一段と楽に」なります。 |
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スペーサにスピーカを取付ける前に、スピーカ端子に「スピーカ接続ケーブル」を繋いでおきます。 そのケーブルをバッフル板の前面にある「溝:左右にあります」から出しておき、その部分を、付属しているスポンジテープで埋めて、音漏れを防止します。 (下の写真で黄色い矢印部分) |
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スピーカの端子が下になるようスペーサにスピーカを当て、スピーカ取付け穴にネジを通し、スペーサの穴を経由して、先のネジ穴にネジを合わせます。 ネジが半分くらい埋まったら、もう一つのネジも同様にしてネジ込みます。 写真ではスピーカ取付けネジも埋まっていますが、ここでの作業は写真の赤い矢印ネジ(2箇所)です。 中心がズレていないことを確認したら、この2箇所のネジでスペーサを「ほぼ」固定し、もう2箇所の穴を使って更に固定します。(緑の矢印ネジ) |
スペーサの固定が全て終わったら、次にスピーカを固定しますが、材質が硬いので、大型のドライバーが有利です。 (右の写真の黒いネジでスピーカを止めています) 【重要ポイント】 スピーカを止めるネジが柔らかめなので、硬いスペーサやバッフル板にネジ込む際、ネジ山を「なめて」しまいます。 さらに、なめたネジ山からドライバーが外れて、傍のスピーカにブスリ!という事が考えられます。 そのようにならないために、スピーカ部分はダンボール板などで覆ってやると良いでしょう。 「大丈夫だよ」と思われる方の中で、きっと何人かの方がブスリとやると確信します。 この作業、それだけ大変なので、スペーサの「バカ穴」が重要なのです。 |
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スピーカが付いたら、スピーカラインを車両側のコネクタに接続します。 私の場合は平形ピンを使い、コネクタの隙間に差し込んでジョイントしています。 隙間が狭いので接触不良などを起こさないし、元に戻す場合も簡単です。 接続が完了したら、結束テープを巻いておきます。 このようなピンが入手できない場合は、一般的なギボシにてケーブル同士を繋ぐことになります。 |
参考までに、エスハイの場合 助手席側のスピーカハーネスで「桃線(P)」が+、「紫線(V)」が−。 運転席側のスピーカハーネスで「黄緑線(LG)」が+、「青線(L)」が−になります。 スピーカからの線を間違えず繋いでください。 なお、この線の色はメーカの事情で変化していることがあるので、実車の色が異なっていたら、ディーラで確認してください。 |
内張りとスピーカの間隔が5ミリ以上あるようです。 この状態で使っていると、スピーカから出た音が内張り内部にこぼれ出て、音同士が干渉し合うので、せっかくの音を濁らせます。 この解決方法として、内張りとスピーカとの隙間を無くすため、スピーカの周囲に防音テープ(セットには入っていません)を貼ることを勧めます。 (写真はメーカのHPより、推奨方式の参考例です) 注意として、テープがスピーカのエッジに触ると音が濁るので、エッジとの距離を置いて貼り付けます。 |
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このスピーカは、メーカの話では中高音重視型ということでした。 確かにウインダムスピーカから交換した時点では、「低音が少ないな」という印象を持ったのですが、反面、出てくる低音に締まり感があります。 さらに、このスピーカの音を基準にすると、純正アンプが「低域増強型」であったため、これまでのスピーカから余分な低音を出し過ぎていたことを認めざるを得ません。 音楽ジャンルを選ばないのも、このスピーカの特徴で、ジャズ、ポピュラー、クラシック、歌謡曲、演歌... 実に忠実に再現します。 個人的な意見としては、ダイナミックレンジの大きなクラシック音楽、中でもバイオリンなどの弦楽器は、繊細でありながら躍動感溢れ、下種な言い方をすれば、演奏者一人一人の位置が分かります。 特に、サウンドシャキットの外部入力(MD入力)とCD、MDチェンジャーを直結で使うと、それは誠に見事な表現をします。 ベートーベンのバイオリン協奏曲、バッハの無伴奏チェロ組曲など、弦楽器の音色を存分に、しかも色付け無しで聞かせ、音による疲れを一切感じさせません。 これはカーオディオでなく、静かな家庭内で使ってみたいシステムと言っても過言ではなく、事実、私はこのシステムでホームオーディオを計画中です このスピーカの特徴を表すなら 引き締まっていながら不足無い低音、全音域に渡り、透明感溢れるバランス良い音作り、特にボーカルはリアルに再現し、弦楽器は繊細な部分まで、スピーカの色付け無しで伝える。 と言うことでしょう。 「もっと強烈な低音が欲しい」、「通行人にも音を聞かせたい」と言う方には満足できないでしょうが、低音から高音まで「バランス良く素直に表現する」のが好みなら、お勧めのスピーカです。 カーオーディオに凝っている人ほど、音楽を聞くのではなく「音を聞いて」いますが、このスピーカは音楽を音楽として聞きたい人に相応しい物だと思います。 純正ハーネスをそのまま使っているので、純正ツィータを使っています。 従い、エスティマ系では、低音カット用コンデンサは3.9μFで、約10KHz付近にあります。 この値を使うと、ツィータからも中・高音が出てくるため、せっかく綺麗に出ているメインスピーカの中・高音とダブルことになります。 私はできるだけメインスピーカの高音を楽しみたいので、ツィータは音の定位を上げるだけと割り切って、コンデンサの値を小さくしました。 また、入力を上げていくと、メインスピーカ「S16F」は入力に追従するのに対し、ツィータが音割れする現象を体験しました。 このような点から、まだ試行錯誤の段階ですが、2.2μF(18KHz)が良いようです。 全音域に渡り、バランス良く綺麗な音を再現するスピーカであり、コストパフォーマンスも最高です。 6月に出荷予定の低音重視型スピーカも使ってみたい気持ちもありますが、「音マニア」でない私は、このスピーカで十二分に満足しています。 現在は音を濁らせる後席スピーカを殺し、フロントスピーカだけで楽しんでいますが、今後の展開として、サウンドシャキット出力をドアスピーカとツィータとで4チャネル化し、ツィータには抵抗で組んだアッテネータを入れて鳴らしてみたいと考えています。 (後日、フロントスピーカの4チャネル化を行い、DIY記事にアップしました) このような意味からも、色々と考え行動させられるスピーカです。 |