Innovation for Ecology ![]() |
エスハイのエンジン音は、ハイブリッドシステムが出すキーンという充電音が耳に付きますが、この音は走行中はあまり気になりません。 むしろ、走行中はエンジンそのものの音が気になるだけですが、ガソリンエスの3.0と比べて少し煩い気もします。 そこで、エンジンルームを制音して、室内に入るエンジン音を少なくし室内を静かにしたい、というのがエンジンルームデッドニングの狙いです。 |
難易度 | ★★☆☆☆ |
作業時間 | 1時間 |
費用 | 10,000円前後 |
エンジンフード裏には「フードインシュレータ」があり、エンジン音を制音しています。 フードインシュレータは、エンジンフードで反射するエンジン音を吸収して低くすると共に、エンジンの高熱がフード裏に直接届かないようにします。 今回の作業は、エンインフード裏側とフードインシュレータの間に振動を防止(制振)する材料と、音を吸収(吸音)する材料を貼り付けます。 購入した材料は、北斗パッキン株式会社の製品ですが、 耐熱制振材が受注生産で納期がかかることから、当面はイヤミ工房だけの販売です。 (納期は2〜3週間 出来上がり次第、メーカからの直送になります) ■遮音制振材(SPDR-NB) 500×920 2.5t 1枚入り 7,350円 材料の表面を、汚れと輻射熱に強いアルミ箔でコーティングした樹脂遮音シートで、裏側が粘着ブチル制振材のダブル構造。 エンジン始動時のエンジンフードの振動を抑え、エンジンルームからのエンジン音を遮断します。 旧来の物と比較して、性能は同じで軽い材質に変更になりました。 (受注生産品) ■耐熱吸音材(SPDR-GM) 1000×1000 6t 1枚入り 2,200円 マフラー内部に使用する耐熱温度が500度以上の吸音材で、エンジン音を吸収して騒音の発生を軽減します。 ■住友3Mニュ−ダクトスプレ−1.5 1,500円 グラスウ−ル・ロックウ−ル・発泡スチロ−ルなどの断熱材、吸音材の接着に適している。ただし耐熱性はおよそ約100℃のため、直接熱のかかる側面には使用しないこと。 インシュレータの裏に耐熱吸音材を挟むこともできるので、絶対に必要ではありません。
面倒なのはエンジンフードの裏側の凹みに合わせて材料をカットする作業で、これが初めから材料がカットされているか型紙が用意されていると便利です。 しかし、この材料はエスティマ系専用製品ではないので、皆さんで実形状に合わせてカットしてください。 |
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作業の為にエンジンフードを開けます。 エンジンフード裏に「フードインシュレータ」があり、これでエンジン音を制音しています。 このフードインシュレータとエンジンフードの間に先の材料を入れるので、フードインシュレータを下記の要領で剥します。 |
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初めに、このフードインシュレータの「取付クリップ」を内張り剥がしを使って外します。 内張り剥がしをクリップの下側に入れ、パキンという音が出るように「こじって」やると緩みます。(クリップは7個あります) |
外した7個のクリップ なくさないように袋などにいれて保管します。 何回か外しているうちに、クリップ部分が弱くなることがあります。 その場合はディーラで新品を購入し、交換しましょう。(105円/1個) |
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![]() ![]() フードインシュレータを外すとエンジンフード内部が見えますが、ここはフードが有っても油汚れなどが着いていて汚れています。 そのままでは粘着性が低いので、お馴染みの「インテリアクリーナ」と「ボンドバイフレッシャー」を使って汚れを綺麗に落とします。(DIYの Exterior 参照) 油汚れが残っていると制振材が剥がれ、性能劣化になります。 |
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エンジンフードの裏側で、かなり凸凹になっています。凹み部分は横に空間があり、音が篭りやすい構造です。 初めにこの凹みに合わせて紙に型を写し、それで遮音制振材(SPDR-NB)をハサミなどでカットしますが、凹みより大きくしない事がポイントです。(少し小さめの方が作業し易いです) これで下の写真の赤い部分を貼っていきます。 全ての凹みが貼り終わったら、下の写真の青線部分を紙に写し、同様にSPDR-NBをカットしますが、心持ち大きめにカットしておくこと、フードインシュレータ取付け穴は迂回することがポイントです。 カットしたら、これを1枚目の上に貼り付けます。 SPDR-NBを2枚貼ると、エンジンフードが重くなっているのに気が付きますよ。 |
![]() ![]() エンジンフードの凹み部分の型を紙に写した例。 (写真撮りの関係で、紙が左右反対になっています) |
赤い凹みを完全に塞ぐように、青い凸部分までの寸法を写します。 この制振材は伸びる材質ではありませんが、凹み部分に十分圧着することができ、凸部にも圧着できるなら、 個々の凹みにだけではなく、複数の凹みを一度に貼ることも、作業が楽になって良いでしょう。 要は、凹み部分の横にある空間に音を篭らせず、ボンネットフードの裏(赤い部分)に、制振材ができるだけ多く貼り付けられるなら良しとします。 反面、凸部に貼る為に、谷部である「赤い部分」の貼り付け面積が少なくなると、本来の制振ができず効果は半減します。 |
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先に作った型紙から、アルミの遮音制振材(SPDR-NB)に大きさを転写します。 転写は型紙が動かないように押え、アルミ材の方にマジックインキで書き込みます。 寸法が多少違っていても気にしないで転写し、微調整はエンジンフードに貼り付ける時点で行います。 |
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遮音制振材(SPDR-NB)をカットしてエンジンフードの凹みに貼り付けた写真です。 多少の寸法違いは貼り付けながら調整しますが、この上にもう一枚貼るので、それほど気にしなくても良いでしょう。 貼った部分を表から叩くと、これまでカンカンだった音がコンコンに変ります。 |
エンジンフード裏の全ての凹みを貼りました。 これだけで、遮音制振材(SPDR-NB)の1枚の8割ほど使っています。 |
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1枚だけでも効果はありますが、より効果を高めるため、この上からもう一枚貼ります。 ここまでやるとかなりの重さになるので、エンジンフードの振動は皆無になるでしょう。 |
フードインシュレータの裏側に耐熱吸音材(SPDR-GM)を置き、フードインシュレータに合わせた形で「2枚」カットします。 SPDR-GMをフードインシュレータの裏側に止めるのはグラスウール専用接着剤(ニューダクトスプレー)を使用し、燃えやすいビニルテープなどは使いません。 この時も、フードインシュレータ取付け穴を塞がないように注意します。 |
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SPDR-GMの張付けが完了したら、フードインシュレータを外したクリップでエンジンフードに貼りつけ、全作業が完了します。 これらの作業の結果、 遮音制振材(SPDR-NB)、 耐熱吸音材(SPDR-GM)共に1/4程度余りました。 |
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作業完了後、エンジンフードを閉めてエンジンを掛けると、キーンというハイブリッドチャージ音、エンジン音が「少し」減少しているのが分かります。 反面、前輪のタイヤハウス付近から漏れてくるエンジン音が気になるようになりました。 タイヤハウスからはこれまでも聞こえていたのですが、エンジンフード付近からの音が減少したので、目だって聞こえるようになったためと思われます。 ■市街地の走行 30〜40Km走行で感じることは、エンジン音は小さくなっていますが、「極めて」静かになったという感じではなく「そこそこ」静かだ、という印象です。 元々エスハイのエンジンルームは静かなのでしょう。 しかし、甲高いエンジン音が吸収されて低い周波数の音だけになっているので、その分、静かになっています。 ■市街地〜高速道路走行 60〜100Km走行では驚くことがあります。 施工前と比べ、他車のエンジン音やロードノイズが気になるのです。 いや、実際にはロードノイズ等の大きさは変わっていないのですが、自車のエンジン音が低く小さくなっています。 その為、全体的に静かになった結果、ロードノイズが気になるのです。 これは効果絶大ですよ! |