受信用ブースタ(プリアンプ)の製作

カーTV、アマチュア無線、各種受信機はクルマで使用すると
アンテナの制限から受信状況が悪くなります。
それらを少しでも良く受信する為に
キットを使った受信用ブースタを造ります。


難易度 ★★★☆☆
作業時間 1時間
費用 1,200円 + α



高速道路を移動中は交通情報を知る為に「高速道路公団」の業務無線を傍受するようにしています。

また、これと同時に交通違反取り締まりの連絡周波数も傍受しているのですが、 自分の受信設備の不備からこれらの電波の受信状況が良くありません。

そこで、アンテナで拾った電波を強力に増幅するブースタがキットが販売されていたので、 組み立てて使用したところ大きな効果が得られました。

(有)秋月電子で購入した
高感度ブースタキット

キット名:広帯域GaAsアンプキット
税別価格:\1,200円

他にMAR-6使用の超広帯域アンプキットがあります。(DC〜2GHz 16dB \500円)


仕様(左) と周波数特性(右)



仕様と性能

■周波数範囲:50MHz〜2GHz
■最大利得:25dB(316倍 144MHz)、19dB(79倍 1500MHz)
■内部雑音:3dB(1,500MHzH)
■最大出力:10dBm(10mW)
■動作電圧:4〜12V
■インピーダンス:50Ω

実際に使用した例では、FM放送帯、TV(1〜62CH)、 アマチュア無線(50、144、430、1200MHz)、BS放送(IF周波数)、 各種業務無線などに効果がありました。

(受信用なので、送信する場合は送信/受信の切り替え回路が必要です)



キットに含まれている内容

■ガリ砒素IC:松下GN1021(1)
■プリント基板(1)
■コンデンサ(3)
■コイル(1)
■ダイオード(2)
■組み立て式ケース
■性能表、組み立て説明書

パーツの個数が少ないので、ハンダ付けができるなら30分程度で完成します。



組みあがったプリント基板

この写真は同じブースタキットの中の『超広帯域アンプキット MAR-6 \500円』ですが、おおよそのイメージは同じです。 (組みあがった写真を撮らなかったので)

このように米粒大のチップコンデンサを使っているため、ハンダ付けに慣れていないと熱でパーツを破壊します。

私は60Wのコテを使い、「一発ハンダ」に心がけていますが、慣れていない方は20〜30W程度が良いでしょう。




キット付属のケース(左)と 他のケースを流用したもの(右)


広範囲に、しかも高い周波数まで高感度で安定して増幅する為には、きちんとしたケースに入れることが必須です。

キットには写真左のような組み立て式のケースが付いていますが、TVチュナー用を流用しているらしく結構大きい物です。
私はアマチュア無線用のプリアンプケースを使い、この中に組み込んだので、付属ケースの1/3ほどの大きさです。
また、入出力インピーダンスを合わせるために50Ω用コネクタを使い、ケーブルの接続を行います。

電源電圧は4〜12Vの範囲で可能ですが、クルマのACCを入力するのを止め、12V用三端子ICで定電圧回路を組み込みました。
ケースの手前側に見える部分がその回路で、ACCが12V以上になっても常に12Vで加給します。 (手元に12V用が有ったからで、8V用が仕様基準です)



アンテナ直下用(左)と 受信機内部に組み込んだもの(右)


アンテナでチャッチした電波はケーブルを伝って受信機に届きますが、周波数が高くなると数十センチでも激しい勢いで減衰します。
そのため、ケーブルで減衰しないうちに増幅する事が大切で、減衰した電波をいくら増幅してもノイズだけが大きくなってしまいます。

左のケース組み込み型はアンテナ直下に設置するためのもので、アンテナはTVアンテナ、アマチュア無線アンテナ、 FM放送用アンテナなど、なんでも可能です。(具体的な取り付けは別項を参照)

右の受信機内蔵型は、受信機の内部に組み込んで使うので特別なケースを使っていませんが、ケーブルの引き回しには注意が必要です。

これだけ増幅度が高いと車載アンテナの性能に依存しなくなり、短いアンテナや周波数同調のズレているアンテナでも良好に受信します。



受信ブースタの効果




左側は広帯域受信機で確認(1m程度のホイップアンテナ + 直下ブースタ)

■0084.300MHz : FM江戸川(コミュニティーFM放送)
■0128.800MHz : エアーバンド(航空無線)
■0145.060MHz : アマチュア無線
■0399.275MHz : 高速道路公団
■1291.360MHz : アマチュア無線

受信電波の本来の強さにもよりますが、低い周波数から高い周波数まで効果が出ている事が判ります。


右側はTV放送(NHK)を純正ナビとテレビで同時受信

■上側(純正ナビ) 純正窓ガラスダイバシティーアンテナ
■下側(テレビ) 1m程度のホイップアンテナ + 直下ブースタ

純正ナビの画像は輪郭がはっきりしないのでユニフォームの字が読みにくいが、 テレビはコントラストが甘い(カメラ角度の問題)ものの、受信感度が良いので輪郭がはっきりし、ユニフォームの文字がはっきり読めます。

アンテナが1本のためダイバシティーにならないが、純正ナビシステムと比べて感度が良く、画像がシャープであることが判ります。



当アンプキットの問い合わせは、下記住所に往復ハガキでお願いします。

東京都世田谷区瀬田 5-35-6
有限会社 秋月電子


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