無線機器の取付

車載用のオーディオ機器、ナビなどが標準的に装備されるようになり、
「クルマは走る電子機器」になってきました。
クルマに積む無線機も小型化してきましたが、実際に取り付けようと思うと
色々な障害がでてきます。
そこで、邪魔にならない無線機器の取付を考えましょう。


難易度 ★★☆☆☆
作業時間 1時間
費用 上を見たら...



携帯電話の急激な普及に伴い、最近ではアマチュア無線人口が激減しています。
「聞こえない」「届かない」と電波で悩むより、お金は掛かってもしっかり通話できることが携帯電話の最大メリットなので、 この傾向は今後も続くでしょう。
携帯電話に押されてきたが...


でも、「電波の届かないところ」や「圏外」などでは無線が効果を発揮しますし、長時間喋っていてもクルマなら費用は掛かりません。
アマチュア無線は全く知らない人であっても、自由に話ができます。
夜中の高速道路で、眠気に負けずとマイクに向かうドライバー。
渋滞にはまったとき、全く知らない人と話しをしながら気分転換を行う、 など、多くの利用価値があります。


なお、アマチュア無線機器を運用するには、国家試験であるアマチュア無線資格免許と無線局免許が必要ですので、 誰でもが使える機器ではありません。


無線機器を何処に付けるか

無線機器を何処に付けるかが最大のポイントです。
車載用無線機の場合、Dinサイズ(カーオーディオサイズ)が多いので、オーディオラックに収めるのが一般的ですが、 エスティマは一部の車種を除いて、オーディオラックは一杯の状態です。

何処に無線機を付けるかの方法は、私も一部記事を書いている
CQ出版社発行
「モービルハム開局テクノウ」に詳しく説明が有りますが、 残念ながらエスティマの取付例はありません。
無線機器は走行中に操作することが多いため、安全運転の面からも、その設置には十分な考慮が必要です。

左写真は
「モービルハム開局テクノウ」CQ出版社より転載


多くの周波数、多くの電波形式を使い、高い出力を扱う無線機器の大きさは、 Dinサイズを簡単に超えてしまうので、どのあたりで妥協するかになります。
私の場合は144MHz、430MHz、1200MHzのFM波のみに限定し、さらに、本体とコントロールユニットが分離できる無線機を探しました。
その結果、条件にマッチするKENWOOD社のモービル機を使用することにしました。

このような機材は、無線機本体と小型のコントロールユニットを5m程度の通信ケーブルで結ぶため、置く場所の制限が極端に少なくなります。
価格的には高いですが、費用を出しても得られる効果は高いものです。

左写真はセンターコンソール(室内ヒューズボックスの蓋)上部にコントロールユニットを取り付けたもので、 通信ケーブル(赤い〇)が蓋の中に入っているのが分かります。

セパレート型を使いました



その後、コントロールユニットにウレタンシートのカバーを着けました。


RVについている傾斜計のようで、面白いですね。


本体はシートの下に

操作しない本体はシートの下に設置しました。
左の写真は2ndシート部分ですが、この下はシート下の凸凹が有ってもかなりのスペースが確保でき、また、 通風の面からも無線機器を置くのに最適です。

私は、アンテナと本体を限りなく近づけたいことと、本体側に受信ブースタを繋ぐために、 ラゲッジルームに置きました。
(なお、後日、他の理由から3rdシート下に移しています)



道交法改正で「おにぎりマイク」が使えませんので、 ハンズフリーマイクをサンバイザーに取り付け、手を塞がない運転に心がけています。

マイクを使わないときは、マイクをピラーに沿って真っ直ぐにしておけば、運転の邪魔になりません。

フレキシブルマイクでハンズフィリー



送受信の切り替えスイッチ

以前の車種にあった「メータランプの照度コントロール」が無くなり、 その部分に蓋がされていました。
そこを利用して、簡単なパネルを造ってスタンバイスイッチ(送受信の切り替えスイッチ)を設置しました。
このスイッチは、本来ならウインカーレバー等に取り付けた方が使い勝手が良いのですが、ケーブルが届かない!、 という理由だけでこの位置になってしまいました。

失敗談:このこの場所は「知らないうちにスイッチが入ってしまう」ので、気が付かないで電波を出しっぱなしにすることが、 ありました。


私は車載無線機の受信感度は、常に良くしておかなければならないと提唱しています。
なぜなら、電波は受信範囲以上に飛んでいるからで、聞こえないからといって電波を出すと、混信になるケースが多いからです。

「クルマに受信ブースタは不要!」と言う人ほど、他局に迷惑電波を掛けて知らん顔しているのです。
受信感度の悪いアンテナと、設置条件の悪い無線機を積み、聞こえないからと高出力の電波を出すのですから本末転倒。
受信感度を良くすれば、高出力の電波は不要なのです。

受信ブースタのオン/オフ・スイッチ




山梨県・大泉村で、
都内のモービル電波が受信できる!

アマチュア無線のライセンスを取得して35年。
モービル・ハムの経験は、クルマを替え、無線機を替えながら30年になります。
この間、モービル・ハム用にクルマの改造をしたり、無線機器の改良を加えながら、 その内容を雑誌に投稿してきました。

クルマで無線を楽しむことは、知らない土地で知らない人たちと、電波を通して知り合える大きなメリットを経験します。
そこには生の声で、生の感情を感じることができます。

「アマチュア無線はキング・オブ・フォビーである」と言われた時代も去り、携帯電話やパソコン、インターネットに流れが移ってきましたが、 生身の人との触れ合いは、けして忘れてはいけないことと思います。



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