家庭用スピーカで低音増強!?

オーディオの世界に没頭すると、際限無くお金が掛かります。
でも、所詮はクルマの中で聞く「音楽」。
であるならば、きっぱりと割り切って、
自分なりの音を安い費用で作ってみませんか?


 
難易度 ★☆☆☆☆
作業時間 気の向くまま
費用 廃物利用ならタダ



カーオーディオはお金を掛ければかけるほど、いい音がするのでしょうか?
音はスピーカから出ると即座に消えてしまい、いい音と言われても判断するものがありません。
いい音、嫌な音は好みの問題で、ドンドンシャリシャリがいい音という人もいれば、フルレンジ一発から出るスピーカの音が好きという人もいます。

ここでは、所詮クルマの中で聞く「音楽」だから、と割り切って、安価で簡単な低音グレードアップを考えます。



 
標準装備のオーディオアンプを使う前提で、 低音を増強する事を考えましょう。

最も簡単で効果的なものは、アンプ付きサブウーファーを購入することです。
価格的には2万円〜数十万円ですが、箱が大きいほどしっかりした重低音が出るようです。
カーショップなどで試聴できますので、お聞きになった方も多いと思いますが、 低音のみ強力に増幅した結果、取って付けたような重低音になり、 違和感を感じてしまうのは私だけでしょうか?



もっとも、私がよく聞く音楽はジャズですが、その中には強烈な重低音がありません。
だから、音楽ソースとしてのジャズに、サブウーファーの重低音は合わないのです。

それともう一つ、解決しなければならない問題があります。
あなたがクルマの中で聞くのは「音楽」でしょうか?、「音」でしょうか?
「音楽に決まってるじゃないか」と言われるでしょうが、ドンドンジャリシャリ...、 とバスドラの重低音に超高音の嵐。
中音が全く抜けたその音楽は、音楽を聴くというよりは「音を聞く」、 「通行人に音を聞かせる」と言うほうがぴったりだと思います。
このような感覚だと、本テーマは無理だと思います。


 
そこで行きついたのが家庭用のスピーカ利用です。
若い頃からオーディオが好きだったため、家の中には大小スピーカがごろごろしており、 これらが使えないものかと考えました。

家庭内で良い音を聞くには、30cmクラスのスピーカが必要で、必然的にスピーカボックスが馬鹿でかくなります。
そんな大きなボックスはクルマに入るわけがなく、また、入ったからといっていい音が出る保証もありません。
今回の実験に使った
家庭用スピーカ(木製)


購入当時、ペアで3万円位?
目を引いたのは、ブックシェルフ(小型なので本箱に入れて使う)型のスピーカです。
このスピーカは狭いところに押し込んで使うのに意味があり、その結果、回りとの相乗効果で音が良くなります。

ずいぶん前に購入して、今ではアンプのテスト用に使っているだけのもので、邪魔になっていました。
高さ30cm、横幅20cm、奥行き18cmくらいで、14cmの低中音用と5cmの高音スピーカがセットされ、 周波数は50Hz付近から23,000Hz程度。
けして低音増強型のスピーカではありません。






ラゲッジルームには収納ボックスがあって高くなっているので、 ここにスピーカを置きました。

スピーカの音源は、リアにある純正スピーカラインから分岐しています。
純正スピーカのインピーダンスが4Ω、増設スピーカが6Ωなので、合計インピーダンスが2.4Ω。
プロの方から、「アンプに悪影響がでる! 音が歪む」と言われるのを覚悟でやっています。
結果ですが、スピーカから出た音がリアガラスに沿って天井に上がり、それなりの効果あると考えたのですが、だめでした。
原因はスピーカが遠すぎて、純正リアスピーカに音が消されてしまうのです。
単独にアンプってやれば効果がでるのでしょうが、今回のテーマから離れますので中止しました。
実験1



ラゲッジルームに置いてみる

実験2



3rdシート付近に置いてみる
スピーカを3rdシート上や足元に置きました。

結果は、ラゲッジルームに置いた状態とそれほど変わらない、ということでした。


スピーカを2rdシート上や足元に置きました。

いいです! ここはいいですよ。
スピーカからの音が聴界域に入ってきました。 純正リアスピーカの音が干渉せず、 また、それに消されることもなくなりました。
これは、純正スピーカと合わせると8スピーカになり、しかもそれぞれのスピーカがそれぞれの位置でしっかり仕事をしているからでしょう。
当然、ドアスピーカの音が中心になっていますが、後方からの音も効果的で、リスナーを包むような感じを強く受けます。
しかも、求めていた低音(軽い低音)も増加しています。
実験3



2rdシート付近に置いてみる

実験4





2rdシートの下に置いてみる
スピーカを2rdシートの下に置きました。

いいです! ここは収納にいい場所です。(^^ゞ
スピーカが乗員の邪魔にならずに収まりましたので、最適な場所になりました。
え、音がどんなかって?
...。
しかし、もっと空間として余裕があると思っていたのですが、アームなどが幾つか出ている場所があり、自由がありません。
今回使ったスピーカボックスのサイズは、2ndシート下の空間にぴったりですが、スピーカ部分を上に向けないと収まりませんでした。
したがって音がシートに向かって出て行く...

気になりましたが、実際に使ってみるとブックシェルフ効果がでて、低音がさらに増強されました。
勿論、直進性の高い高音はシートに阻まれて減衰しますが、その分、リアスピーカが活躍しています。
オーディオ評論家が「音質が悪い」と口を揃えて言うところのFM放送を聞いても、結構低音が出ているのに驚いています。
ただし、もう少し締まりのある低音が希望だったのですが、これを解決するにはスピーカ自体を変えないと無理なため、 今回はこれで我慢しましょう。




2ndシートの外し方


2ndシートの取り外しは、シート下側にある4本のネジを外せば取れます。
ただし、ネジはプラスチックカバーが掛けられていますので、それを小さなマイナスドライバーなどで外してから作業します。
シートは結構重い!です。





皮肉に聞こえたらごめんなさい。

最近のカーオーディオ出力は増加の一途をたどり、100Wを越えるものも珍しくなくなりました。
街中を歩いていると、遥か彼方からズンズン・ドンドンと騒音が近づいて来ることがあります。
近づいてきた「オーディオカー」は、窓を閉め切っているのにえらい低音を撒き散らしています。
「音」は自分で楽しむのであって、通行人に聞かせるのではないですよね。

私はクルマの中で気楽に「音楽」を楽しみたいのです。
カーオーディオのショップに相談に行くと、定位がどうの楽器が見えるの、ボーカルが目の前で歌っているの、 それならこれだけ掛かります...
そう言われても、所詮は騒音だらけのクルマの中で聞くんでしょう?
だから、狭いクルマに歌手や演奏メンバー全員と多くの楽器を載せる必要は無いと思うのです。
いや、買えない者の「ひがみ」かもしれませんが、最近なにか変だな、と思って今回の実験を始めました。
「音ファン」の方、ごめんなさい。


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